鍼灸おを学ぶ

脊椎管狭窄症の治療法 2017.02.18

脊椎間狭窄症の治療法   内部資料

 

 腰の痛み、臀部の痛み、足のむくみ、足先の痺れ、足底の違和感、歩行障害、等が50歳代を過ぎてから起きてきたら、脊柱管狭窄症を疑ってみる。腰を曲げ伸ばしした時、一定の角度で腰が痛むのは腰椎の神経が圧迫されている可能性がある。

 

寝ている時に痛くなる

 

 上向きに寝ていると、片方の足腰が痛くなるのは、背骨を反らしたまま寝ている関係で、片方の腰椎神経が圧迫されて痛みが出ているのです。この場合、横向きに寝ると痛みが無くなることが多くなります。しかし、脊椎間狭窄が酷くなると、上向きでも横向きでも、一定の時間で痛くなりだします。

 

臀部にダルイ痛みがある

 

 立てっていても、歩いていても、臀部に怠いような痛みがあり、腰や臀部が疲れやすい。あまり遠くへ歩くことや、長く立つことが苦痛になる。なるべくなら椅子に腰かけていたい。しかし、椅子に腰かけていても長時間になると臀部が痛くなることもある。脊椎の狭窄が神経や血流を圧迫していると思われる。

 

足先に違和感が出る

 

 足の裏にモチでもくっ付けたような違和感や、足先の痺れ感、足首から先のむくみ感が出ることもある。普通は片方の足に出ることが多い。いつか無くなるだろうと思っていても、この症状はなかなか取れない。これは狭窄している部位によって違和感の出る部位も変わってくる。

 

寝ていられないほどの痛み

 

 上向きに寝ていると、片方の足が、うずいて痛くなり、寝ていられない。横向きに寝るとやや楽になるが、また痛くなる。椅子に腰かけていた方が楽になるので、夜中に寝るときも椅子に腰かけて寝る人もある。過去のぎっくり腰や腰痛の痕が筋の拘縮となって残っており、腰に負担をかけていると、狭窄による神経圧迫が酷くなる。

 

脊椎間狭窄症の簡単チェック

 

① 腰が痛む
② 腰を反らせたり、伸ばしたりすると特に痛む。
③ 歩くと臀部や足が重くなったり、しびれたりする。
④ 姿勢によってしびれ方が変わる。
⑤ 50歳を過ぎてから痛みやしびれを感じるようになった。
⑥ 太り始めてからしびれや、痛みを感じるようになった。
⑦ 朝より、夕方の方が不調を感じる。
⑧ 寝ている時に痛みで目が覚めることがある。
⑨ 足の裏までしびれることがある。
⑩ 長時間歩くことが出来ない。
⑪ 足がつることがある。
⑫ 足首を思うように動かせない。
⑬ うつ伏せになって本を読むことがつらい。
⑭ 排尿や排便がうまく行えない時がある。
⑮ 前かがみになると楽になる。
⑯ 若いころから過食や間食が多かった。
⑰ 若い頃にぎっくり腰や腰椎ヘルニアを患ったことがある。


上記の症状に複数、思い当たることがある人はすでに脊椎間狭窄になっている可能性があります。


脊椎間狭窄になる原因

 

① 若いころから過食や、間食が多い人は50歳を過ぎてから、脊椎間狭窄症になりやすい、脊椎間硬化症と言うべきもので、背骨や軟骨周りに不純物が積み重なり、上から背骨を触るとごつごつと膨れ上がったり、椎間のへこみが無くなったりして、変形していることが多い。特に腰椎の2番、3番、4番、辺りに変形が来る。


② 50歳を過ぎて太り始めた頃に出やすいのは、糖尿病との関係が深い。糖分の取り過ぎで血管壁も動脈硬化症になるが、脊椎間も硬化症になる。血糖値が高い人の場合は、足への血流が悪くなり、足を切断する人もあり特に注意が必要になる。


③ 若い頃にぎっくり腰を経験している人、この場合はぎっくり腰が慢性化して痛みが出ていないのですが、しこりとなって腰に負担が何十年もかかっているのです。その負担が積み重なって脊椎間のゆがみや、ヘルニアとなって神経を圧迫している可能性があります。


④ 酒、たばこ。 沢山お酒を飲む人は腰に負担が掛りやすく、年を取ってから間歇性歩行になる場合が多い。歩いていると足が痛くなり、少し休んでしゃがんだりすると、また歩くことが出来る。酷い神経痛で悩むのもこの系統の患者さんに多い。

 

 鍼灸による治療

 

本治法

 

骨にかかわる疾患は、腎経と関係が深いので、本治法ではまず腎経を補う。


 証は肺肝相克であっても、脾腎相克であっても、腎蔵を補う取穴をする。取穴は大腿陰、上腕陰、に取ることによって腎経の補いとなる。男性で肺肝相克の場合、左から大腿陰1-4L、左上腕陰5-1K、次に、右から大腿陰5-1K、右大腿陰1-2L、と取穴する。

 

標治法1

 

 腰椎の狭窄している部分の反対側に知熱灸をして緩めてやる。一番大切な治療で、椎骨が盛り上がったり、椎間が無くなっていたり、変形して横に膨らんだり、している。変形がよく分からない人も椎骨の上や横を丁寧に抑えてみると変形が分かる。患側が右の場合は椎骨のやや左側に知熱灸をして補うと良い。

 

 痛みが酷いので、鍼をして実の反応を取り除く方法をする人が多いのだが、これをすると痛みが倍加する。狭窄している部分は虚の反応があるから、知熱灸で徹底的に補うことが大切になる。一番多いのが腰の3-1Kに虚の反応があるのでここに知熱灸をする。

 

標治法2

 

 若い頃、ぎっくり腰や酷い腰痛をした人の場合、背中に当時の筋委縮が残っているから、これを取り除いてやる。背の4-1K,だったり、背5-2Kだったり、その当時の反応が残っているからそれを取り除いてやる。昔の反応であっても接触鍼をして実の反応を取り除いてから、残っている虚の反応を知熱灸で取り除く。それによって筋委縮が緩むと、寝ていて足を延ばせないほどの痛みも解消する。

 

 下腿陽3-2Lなど、下腿陽にも虚と実の反応が出ている場合が多い。上記の背中の反応と下腿陽の反応はセットで使うことが多い。セットで背と下腿の反応を取り除くと激痛が緩和する可能性は大きくなる。

 

しかし、この手技は普門堂の治療法を学んだものにしか対処することが出来ないのは残念である。

 

標治法3

 

 足の筋肉の引きつり、激痛、イライラ、臀部の痛み、鼠蹊部の痛み、等がある場合、肝実になっている場合がある。左手首を脈診すると、寸、関、尺、のうち沈脈で関と尺の脈が強く打っている。これが肝実の脈である。肝実がある場合は太衝穴に接触鍼をして、肝実の脈が完全に平脈になれば痛みは取れる。

 

標治法4

 

 腎虚を補強する目的で、腎経2の子午関係にある手示指外端からウエーブで上腕陽4-1Kに飛び、ここを治療点とする。上腕陽4-1Kは腰の4-1K(腰椎4番、5番)と関係が深く上腕の知熱灸で腰を治療していることになる。それによって、馬尾神経を刺激し、腰や臀部、大腿の痛みが取れやすくなる。

 

標治法5

 

 坐骨神経痛と言えば、臀部の中心部(おしりのほっぺた)に痛みが出るのが特徴です。この痛みを取るのには、期門Lまたは腹1-5L、に知熱灸を据える。腹が虚していると、それを補うため腹が硬くなっている。それを緩めてやると、腹の硬さが無くなり、腰の負担が楽になると同時に坐骨神経痛もよくなる。

 

標治法6

 

 帯脈穴Lに知熱灸を据える。腎虚に対して1 5治療で診ると、胆経は腎の補いに効果を発揮する。胆経の5-3L(足中指陽外端L)からウエーブで腰まで飛び、帯脈を治療点とする。帯脈は五枢、維道などに繋がっており、女性の卵巣、子宮、婦人科疾患にも効果を発揮する。男性では鼠蹊部の痛みや精巣、前立腺に影響を与える。当然、胆経の痛み痺れには帯脈を意識してください。

 


 脊椎間狭窄症の治療法としてイロイロ書きましたが、これらを全部使うのではなく、反応に応じて使い分けしてください。当院の治療成績としては、脊椎間狭窄のほぼ95%までの人が完治、又は緩解しています。脊椎の狭窄という絶望的な所見ですが、根気よく治療すると、徐々に治ってきます。

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