鍼灸おを学ぶ

奇経治療 合谷――陥谷 2017.02.18



奇経治療 合谷ーー陥谷

 

奇経治療は各ブロックごとの病であります。そのブロックを単位として代表治療穴があります。どのブロックの病であるかをまず見極めます。

 

その病の虚、実、を調べます。そして代表穴に、虚に対しては知熱灸を、実に対しては接触鍼をします。

 

虚実同時に持っているブロックの場合は、その代表穴に接触鍼をして、実の反応を取り除いた後で、残った虚の反応に対して知熱灸をして補います。

 

 奇経8脈と言われていますが、実際には10脈あります。

 

これから奇経10脈に付いての治療法を解説します。

 

1、合谷――陥谷について

 

      この奇経は顔面の病に特別な効果を発揮します。

 

      口内炎、歯の痛み、歯肉炎、歯槽膿漏、鼻づまり、目の痛み、目の痙攣、など顔面の病ならなんでも適応します。

 

      ただし、右なら右顔面全体に虚または実の反応が出ているときにのみ効きます。

 

      右手で患者の右顔面に4粒または1粒の提鍼を当て、左手で患者の脈を診ます。4粒の提鍼で沈脈が反応をしているときは虚の反応です。1粒の提鍼で反応していたら実の反応です。

 

1粒でも、4粒でも反応があるときは虚実同時に持っている患部ですから、接触鍼をして、実の反応を取り除いてから、残った虚の反応に対して、知熱灸をします。

 

      左右どちらの合谷を使うかは、提鍼を左右の合谷に当てて、沈脈に反応が出ているほうが適応しています。

 

      右合谷に反応がある場合は、相方の陥谷は左陥谷になります。

 

      知熱灸の壮数ですが、虚の反応がなくなるまですえます。5壮で虚の反応がなくなれば5壮が適量ということになります。

 

      知熱灸をすえながら、時々反応を診て決めてください。

 

      接触鍼の場合も同じです。1回の接触鍼で反応が取れたらそれでよいし、取れなかった場合は何回か繰り返してください。

 

      経験から言うと虚の反応が出ていることのほうが圧倒的に多いようです。

 

      左右の顔面全体に反応があるときは、右合谷――左陥谷、左合谷――右陥谷と十字交差して治療を施します。

 

      合谷穴の取穴方法、

部位 第2中手骨の拇指側、拇指内転筋に下際にある。

 

取り方、第2中手骨の拇指側を指先のほうから押し上げてゆくと、拇指内転筋に当たる。その下際において動脈を目当てに取る。(左写真上を参考) 写真をクリックすると大きくなります。

 

      陥谷の取穴方法、

部位 第2中足骨ほぼ中央の外側、内庭穴の後方2寸にある。

 

取り方 第2・第3中手骨指節関節より後ろへ押し上げてゆくと内庭穴の2寸ほど後方に陥凹する所がある。そこで第2中足骨よりに取る。(左下写真参考 大きな黒点が陥谷穴、指付け根の小さな黒点が内庭穴です)

 

 

 

臨床例 左下歯茎の炎症。女性、71歳、仕事が忙しくて無理をしていたら歯茎が痛くなって腫れてきましたという。

 

本治法をしてから、左顔面の反応を調べてみると左顔面全体に虚の反応が出ていた。右陥谷――左合谷に反応があったので取穴、知熱灸を9壮づつすえた。虚の反応が取れたのを確認した。左顔面を押さえてもらって痛みを確認すると、ほとんど痛みがなくなっていた。この治療2回で完治した。

 

臨床例2 右手のひらが冷たくて困るという女性、56歳、

 

右手のひらが冷えるので手袋をはいている。水仕事はやりたくないが家事をする関係上やむなくやっている。6月だというのにこんなに冷たくては困ってしまう。診察してみると右手のひらが全体に虚の反応が出ていた。

 

本治法をしてから、合谷――陥谷の反応を調べてみると左合谷――右陥谷に反応があった。7壮づつすえて虚の反応がなくなったところで、右手の冷える感じはどうですかと尋ねてみると、「あらっ!!冷える感じがなくなっているわ」という。この女性の場合、3回の治療で完治している。

 

 

 

合谷――陥谷の奇経は顔面の病と、手掌および足底の病に効果があります。

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