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奇経治療　後谿―申脈

＊        この奇経は後頸部、臀部、背部、腰部に効果を発揮します。これらの部位どこかに病巣があり、その部位全体に反応があるとき、後谿―申脈の奇経が治療点となります。

＊        手足では前腕外側、下腿外側に効果を発揮します。

＊        首のこり、寝違い、後頸部の痛み、など後頸部に関係する症状で、片側または全体に反応がある場合。

＊        臀部も、痛み、冷え、坐骨神経痛、など臀部に関する症状で片側または全体に反応が出ている場合は適応します。

＊        前腕外側の冷え、痛み、腫れ、痺れ、など前腕外側に関係する症状で全体的に反応が出ている場合は適応します。

＊        下腿外側の冷え、痛み、腫れ、痺れ、など下腿外側に関係する症状で全体的に反応が出ている場合は適応します。

＊        左右どちらの後谿を使うかは提鍼を後谿に当てて反応のあるほうを使ってください。

＊        右後谿の場合、相方の申脈は左にきます。

＊        後頸部でも左右全体に反応がある場合は、右後谿―左申脈、左後谿―右申脈と十字交差して取穴してください。

＊        後谿穴の取穴法（左上の写真参照）

部位　手の小指尺側基節骨のしりえ、赤白肉の間にある。

取り方　小指の基節骨の尺側を押し上げてゆくと、第5中手指節関節のたかまりに突き当たる。この関節の割れ目にとる。

＊        申脈穴の取穴法（左下の写真参照）

部位　足、外果の直下5分、陥凹部にある。

取り方　外果の直下５分くらいの所で、やや後方を押すと痛みのある部位がある、ここに取る。

臨床例

男性68歳

定年で退職してから、庭の草むしりが仕事になってしまったという。この男性の両前腕に赤いあざのような湿疹がたくさん出ている。これを治してくれと言う注文だ。

診察してみると後谿―申脈の奇経反応が出ている。本治法その他の治療をしてから、左後谿―右申脈に知熱灸を7壮づつすえた。これによって赤みがだいぶ薄れた。3日後、来院したときに診察してみると、赤みも薄くなり、湿疹がかなり少なくなっていた。