鍼灸おを学ぶ

脈診術 2020.01.25



脈診は経絡治療家が行っている脈診と同じです。ただ、普門堂鍼灸院では脈診だけですべての病状を判断するようなことはしていません。当院で開発された提鍼を使って、それと脈診術を組み合わせて本治法も標治法も行っています。

 

 提鍼を使って脈診をするとルーペで拡大した時と同じように分かり易く、判断出来るようになるのです。脈診だけの判断だと、どうしても微妙な判断が出来なくて、過去において私自身も経絡治療を止めようと思ったことが何度もあったのです。

 

 脈診20年と言われるぐらい、脈診で経絡治療を行うのは非常に難解でありました。提鍼を使って脈診を行うと、感の良い人なら1か月で脈診が身に付きます。感の悪い人でも6カ月もあれば自由に脈診が出来ます。

 

 普通におこなっている六部定位脈診における十二経脈と五臓六腑の比較脈診は行いません。これを丹念にやっていると感の良い人でも20年の年月が掛るのです。普門堂の脈診は浮脈、中脈、沈脈、だけをしっかりと把握します。

 

 しかも沈脈を重点的に使い、総ての本治法、標治法を沈脈の変化で決定しています。その為には提鍼が欠かせない媒体となります。提鍼を語る前に、まず脈診についてお話しします。

 

 脈診は患者の前腕陰で、撓側部の撓側にある脈位に於いて、腕関節に近い掌面

脈所の高骨(茎状突起)横の脈所に術者の中指を確実に当て、その両側に次指と薬指を添え、この3本にて脈を診るのです。

 

 次に脈診の手捌きですが、静かに指を沈めて行くと、三本に等しく最もよく脈動を感ずる所があり、これを中脈と言います。更に指を沈めて行くと骨に当たり、脈が途絶える手前の脈が沈脈です。

 

 更に再び中脈に戻し徐々に指を浮かせると、脈から指が離れようとする1歩手前で浮脈を診ます。このように静かに指を沈めたり、浮かせたりして、浮・中・沈、沈・中・浮と脈状の部位を確認してください。

 

 必要なのは中脈から沈めて行くと触れる沈脈であります。実のある皮膚に1粒の提鍼を当てると沈脈が元気に強く触れます。反対に4粒の提鍼を当てると沈脈が元気なく弱くなります。この変化を察知してすべてに使うのです。

 

 当然、皮膚が虚となっている所に、1粒の提鍼を当てると元気が無くなり弱い脈になります。4粒の提鍼を当てると元気になり脈が強くなります。この変化をキャッチして、此処の患部は実である、此処の患部は虚となっている、と判断しています。

 

 ただし、先入観でここは実だと思い込んで脈を診ると、実に診えるし、虚だと思い込んで脈を診ると虚に診えます。これは沈脈の上にある中脈を診ているのです。中脈はいつも元気よく強い脈ですから、中脈を診てはいけません。

 

 あくまでも沈脈の変化をキャッチしてください。沈脈の変化が素早く正確にキャッチ出来るようになると,脈診はドンドン出来ます。沈脈を強く押し過ぎていても実のところに1粒の提鍼を当てると、はっきりした脈が出てきます。

 

 肩凝りなどは実の反応が多いので、一番肩凝りの激しい所に1粒の提鍼を当て、空いている片方の手で、患者の脈位で、沈脈を観察してみて下さい。1粒の提鍼を当てると、沈脈が元気に強く打って来るのが分かります。

 

 反対に4粒の提鍼を当てると、脈に元気が無くなり弱く打ってきます。沈脈が正確に捉える訓練が出来ると、感の良い人では、その日から脈診が出来るようになります。

 

 冷えて弱い部位は虚の反応がある部位で、痛みや熱のある部位は実の反応がある場合が多いのです。しかし、実際には痛いとか冷えていると言っても、皮膚表面には何の変哲もない場合が多いのです。

 

 そんな時に提鍼を使い、1粒の提鍼を当てた時と、4粒の提鍼を当てた時に感じる沈脈の強さによって、此処は実の反応であるとか、此処は虚の反応を示しているという事が分かるのです。

 

 病状のない部位に1粒の提鍼を当てても、4粒の提鍼を当てても、脈に変化はありません。その患部に虚、または実の反応がある時だけ、提鍼を当てると反応が現れます。

 

 目が疲れて困ると言う人のまぶたに4粒の提鍼を当てると、虚の反応が出ています。このように全身の弱りや痛みの患部に対して、素早くその虚実を判定することが出来るのです。

 

 普門堂の脈診は提鍼と組み合わせて脈を診るので、沈脈さえ診る技術が身に付くと、明日からでも脈診は出来ます。

 

          

 

 

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