三焦経の肩こり 2009.01.14
三焦経の肩こり
よく売れるケーキ屋さんの女主人。年明け早々、肩がパンパンに張ったよー、先生何とかして“と言って来院する。
毎月1回くらいの割りで来院している常連さんである。
この人すごく頑張りやさんで、クリスマスから年末にかけて、朝から晩までずーっとケーキを作っていたそうだ。
腕が疲れるのを叩いたり、回したりして、だましだまし仕事をしていた。
早く来たかったのだが、忙しくて来る暇が無かった。ようやく年が明けてやってきた。
診察
提鍼を当て、脈を診ながら診察すると、肩井から首の横を通って頭部の耳の後ろに実と虚の同時反応が出ていた。両手の中指陽(三焦経)にも反応が出ている。
これだけで、この肩こりは三焦経の虚実反応を取り除けば、肩こりが正常になることが判る。
手の中指を調べると、経脈に反応が出ている。また、指の手首よりに1番反応が強い。
ウエーブで手の中指 ―― 反体側前腕に飛び、そこに1番反応が強いので治療点となる。
肩こりは左右共にあるので、治療点は左右の前腕、肘よりに取る。
治療
治療点にしるしをつける。虚実同時の反応であるから、接触鍼を3回ほど繰り返し、提鍼で実の反応が取れたか確認する。
実の反応が取れたのを確認してから、虚の反応がまだ残っているのを確かめておき、その部に知熱灸をする。
これも3回くらい行い、虚の反応が取れたかを確かめる。虚の反応、実の反応、共になくなったら治療は成功である。
肩のこっている部分に提鍼をあて、反応がすっかりなくなっているのを確認してから、患者さんに、肩首を動かして貰い、こり感がなくなっているのを体感して貰う。
写真の説明
(写真1)上の写真は手の三焦経です。手首までを関節ごとに5つに分け、今回は手首よりに反応が出ていました。
縦の線ですから経脈です。ウエーブで飛ぶときも経脈で飛びます。
(写真2)下の写真は前腕の治療点を映した写真です。縦の線、経脈の肘よりに治療点を取っています。点線は肘関節を示す。肘関節より1センチ手首よりの3つの点が治療点です。経脈の幅を横切るように治療点を取ります。
三焦経は曲池穴と肘頭の間を3等分した真ん中を通ります。
治療は3つの点の間を5ミリ間隔で接触鍼を3回くらい行い、実の反応がなくなっているのを確認します。
その後、虚の反応に対して、同じところに知熱灸を3回くらい行い、虚の反応を取り去ってください。
反応が取れなかったら回数を多くしてください。
(写真3) 図はクリックすると大きくなります。
普門堂では、三焦経は2本あります。手の中指の線と薬指の線です。一般的には薬指の線を使いますが、肩こりの場合は中指の線を使います。
手背(手の中指)、前腕、上腕、肩井穴、から首の横、耳の後ろを通り、眉毛の後端(糸竹空)までに虚実同時の反応が出ています。