鍼灸おを学ぶ

本治法の解説 2020.03.23

本治法の解説

 

 鍼灸治療で最も大切なのは本治法です。身体の体力を回復させる作用があります。標治法と合わせて車の両輪のごとく、両方をシッカリと治療することによって体はまっすぐに治る方向に向かいます。

 

 また、症状が漠然としてどのように治療して良いのか分からない時など、本治法をすると証がはっきりと示されます。その証を見れば一番弱い所と、一番強い所がハッキリ明記されていますので、漠然とした症状の患者さんでも治療方針が半分は分かるのです。

 

 特に風邪ひきや、冷え性、子供の頃から身体が弱い、本態性高血圧、など身体の中から現れる病状には本治法は欠かせません。まっすぐに立っていなければならない身体が、病気の方に傾いていると考えて下さい。そこを立て直すのが本治法です。

 

 本治法の解説

 

 普門堂ではまず、証の決定をします。証の決定は足底で行います。足底の何処が一番虚で、2番目、3番目は何処と言うふうに比較脈診して決めて行きます。

 

 まず、足底の薬指内端に2粒のマグレバンを貼り、他の指と比較脈診します。仮に足拇指が1番の虚、足示指が2番目の虚、足薬指が3番目の虚であったとします。次に手掌で一番虚の所を探します。仮に手中指が一番の虚でありました。

 

 足の指と手の中指を比較して、足の方に虚が強ければ順番は、足拇指内側(肝経陰)が一番、足示指内側(脾経の2行線)が2番、足薬指内側(腎経の2行線)が3番目、手掌中指内側(心包経)が4番目となります。

 

 この4つの虚となっている経を左右に振り分けます。男性は左から脾経、心包経を取穴します。右から肝経、腎経を取穴します。女性はその反対に右から脾経と心包経を取ります。左から肝経と腎経を取ります。

 

 これを肝脾相克と言いまして肝の弱りに対してその親である腎を共に補います。次に脾の弱りに対して、その親である心包経を共に補います。これを左右振り分ける事によって肝経も脾経も補われるのです。上合水穴を使います。

 

普門堂では、福島弘道先生の開発した左右振り分けの本治法を採用しています。

 

 このように足底の指と、手掌の指で比較脈診をして一番弱い所から4番目に弱い所までを探し出します。虚の順番によって証の名称も変わります。

 

 肺肝相克の場合、手拇指内端の虚(肺経)が一番、足拇指内端の虚(肝経)が2番、足示指内端の虚(脾経2行線)が3番、足薬指内端の虚(腎経2行線)が4番。この配置の場合を、肺肝相克と言います。経金穴を使います。

 

 この4経を、肺経と脾経 肝経と腎経に分ける。男性は左に肺経、脾経、右に肝経、腎経。 女性は右に肺経、脾経、左に肝経、腎経を振り分けて使います。

 

 腎脾相克の場合、足薬指内端の虚(腎経)が一番、足中指内端の虚(脾経1)が2番、手拇指内端の虚(肺経)、手小指内端の虚(心経)。この配置の場合を腎脾相克と言います。合水穴を使います。

 

 この4経を、腎経と肺経 脾経1と心経に分け、男性は左から脾経1、心経、右に腎経、肺経を振り分けて使います。女性は反対側。

 

 脾腎相克の場合、足中指内端の虚(脾経1)が一番、足薬指内端の虚(腎経2行線)が2番目、手小指内端の虚(心経)が3番目、手拇指内端の虚(肺経1)が4番目、この配置の場合を、脾腎相克と言います。愈土穴を使います。

 

 どの場合でも振り分ける場合は、脾を中心に男女の振り分けをします。この場合、男性は左脾経、心経、右腎経、肺経となります。女性は右脾経、心経、左腎経、肺経となります。

 

 井木穴を使う肝脾相克の場合。足拇指内端(肝経陰)が一番虚、足中指内端(脾経1)が2番目に虚、足薬指内端(腎経2)が3番目に虚、手小指内端(心経)が4番目に虚、この配置の場合を、井木穴を使う肝脾相克と言います。

井木穴を使います。

 

 男性は左から脾経1、心経、右から肝経陰、腎経2。女性は反対側。

 

 栄火穴を使う場合は心腎相克となります。

心腎相克の場合。 手小指内端が一番の虚(心経)、足薬指内端が2番目に虚(腎経2)、足拇指内端が3番目の虚(肝経)、手拇指内端が4番目の虚(肺経1)。

 

 このように手足内側で、虚となっている経を4つ探し出し、男性は左から心経、肝経。右から腎経2、肺経1となる。女性は反対側を使う。

 

井、栄、愈、経、合、上合、の振り分け

 

次に井木穴、栄火穴、愈土穴、経金穴、合水穴、上合水穴、の6つに振り分けます。手足の6つのブロックを使って比較脈診します。手掌、前腕内側、上腕内側、大腿内側、下腿内側、足底、の6ブロックを比較脈診します。

 

その6ブロックの中で一番弱い所が、その日に治療する穴となります。

手掌=経金穴、 栄火穴=前腕内側、 愈土穴=上腕内側、

上合水穴=大腿内側、 合水穴=下腿内側、 井木穴=足底

 

6つのブロックの内、手掌が一番の虚であれば経金穴を使います。この場合は風邪を引いている事が多いのです。肺経1(肺臓)が虚になっています。

全体の約30%は経金穴となります。冬は特に多くなります。

 

大腿内側が一番の虚であれば上合水穴を使います。上合水穴を使う場合は一番多く全体の約40%は上合水穴となります。肝経陰(肝臓)が虚になっています。肝臓は内臓の中心であり、最も酷使する臓器であります。

 

上腕内側が一番の虚であれば愈土穴を使います。愈土穴を使う場合は、身体の弱い人や食欲の無い人、が多くなります。全体の約10%が愈土穴になっています。脾1(膵臓)が虚になっています。

 

下腿内側が一番の虚であれば合水穴を使います。合水穴を使う場合は全体の約10%が合水穴となります。腎経2(腎臓)が虚になっています。

 

足底が一番の虚であれば井木穴を使います。井木穴を使う場合は全体の約5%が井木穴となります。肝経(頭内部の異変)が虚になっています。

 

前腕内側が一番の虚であれば栄火穴を使います。栄火穴を使う場合は全体の約5%が栄火穴となります。心経(心臓)が虚になっています。

 

使う治療点はどの穴を使うのか?

 

経金穴の場合 肺肝相克 魚際(肺経1)、商丘(脾経2)、中封(肝経陰)、水泉(腎経2)、普門堂独特の取穴法です。他の会派の取穴とは異なります。魚際と商丘、中封と水泉、を左右に振り分けて取穴する。いずれも手根、足根、に穴が集中している事に注目してください。

 

上合水穴の場合 肝脾相克 大腿陰51K(肝経)、大腿陰4₋1K(脾経2)、大腿陰2₋1K(腎経2)、膝関節横紋より大腿側に取穴する。上腕陰3₋5K(心包経)、上腕陰では肘関節横紋より上腕よりに取穴する。

脾経と心包経、肝経と腎経2、を左右振り分けて取穴する。

いずれも膝関節上部、肘関節上部に穴が集中している事に注目。

 

合水穴の場合 腎脾相克 下腿陰2‐1K(腎経2)下腿陰3₋1K(脾経1)、尺沢穴(肺経1)、少海(心経)。腎経2と尺沢、脾経1と少海、を左右振り分けて取穴する。いずれも膝関節下部、肘関節下部に穴が集中している事に注目。

 

愈土穴の場合 脾腎相克 足底3₋3K(脾経1)、足底2-3K(腎経2)、手掌1-3K(心経)、手掌5-3K(肺経1)。脾経1と心経、

肝経と腎経2を左右に振り分けて使う。

いずれも足底中央部、手掌中央部に穴が集中している事に注目。

 

井木穴の場合 肝脾相克。足拇指内端(肝経)、足中指内端(脾経1)、

足薬指内端(腎経2)、手小指内端(心経)。肝経と腎経、脾経1と心経を左右振り分けて使う。いずれも手足の末端に穴が集中している事に注目。

 

 栄火穴の場合 心腎相克。前腕陰1-1K(心経)、下腿陰2-5K(腎経2)、下腿陰5-5K(肝経1)、前腕陰5-1K(肺経)。

心経と脾経、腎経2と肺経1を左右に振り分けて使う。いずれも足首の下腿陰より、手首の前腕陰よりに穴が集中している事に注目。

 

虚の経に対して実の経は何処か?

 

 肺肝相克(経金穴)の場合、肺経1、肝経陰、脾経2、腎経2という陰経の虚に対して陽経では、大腸経1、肝経陽、胃経、膀胱経2、という順番に実となっている。

 

 肝脾相克(上合水穴)では、肝経陰、脾経2、腎経2、心包経、という陰経の虚に対して、一番の実が肝経陽、2番が胃経、3番が膀胱経2,4番が三焦経2となります。

 

 腎脾相克(合水穴)では、腎経2、脾経1、肺経1、心経、という虚の順番に対して、陽経では膀胱経2、胆経、大腸経1、小腸経、という実の順番になります。

 

 脾腎相克(愈土穴)では、脾経1、腎経2、心経、肺経1という虚の順番に対して、陽経では胆経、膀胱経2、小腸経、大腸経1という実の順番になる。

 

 肝脾相克(井木穴)では、肝経陰、脾経1、腎経2、心経という虚の順番にたいして、陽経では肝経陽、胆経、膀胱経2、小腸経という順番になる。

 

 心腎相克(栄火穴)では、心経、腎経2、肝経、肺経1という虚の順番に対して、陽経では小腸経、膀胱経2、肝経陽、大腸経1という実の順番になる。

 

陽経、実の使い方

 

 本治法の陰経では、決まった穴を使いますが、陽経の実になると標治法となりますので、決まった穴を瀉法するという事はありません。その経に実があるのを提鍼で確かめ、番地を決めてから、ウエーブで何処に飛ぶか治療点を探します。

 

陰経に対して、陽経が実の経であっても、提鍼で擦ってみると実の反応が無い時や、其の陽経に関係する症状もない時などはその陽経を使いません。

 

肝経陽に実の反応があり、症状としても前かがみで腰の痛みを訴える場合などは、明らかに肝経陽の症状なので、番地を決めてからウエーブで治療点に飛び治療をします。

 

 症状が眩暈で、もしどの経から来ている症状か分からない時は、本治法の証から考えて、其の陽経を提鍼で探します。肝経陽に実の反応があった時、もしかしたら肝経の実が元で、この眩暈が起きているのかと推測することが出来ます。

 

本治法では虚となっている経と、実になっている経が同時に分かるので、本治法の証決定で病の大半は分かってしまいます。全く治療方針の立たない患者さんに対して、これほど頼もしい援軍はないのです。

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