臨床例

不登校と鍼灸 2008.03.23

00さん  男性 中学2年生  初診平成16年7月12日 (不登校3ヵ月半)
今年の4月から学校へ行けなくなった。朝起きるのがつらい、頭痛がする、身体がだるい、食欲がない、ひどい時には吐き気がする、寝ていたい、肩が凝って腰が痛い、やる気がない等の症状で本人は学校へ行きたいのだが、学校へ行けないのだという。両親は心配して、医者に連れて行き、いろいろ検査したが何処も異常がないという。昨日から右の背中も痛くなり、おじいさんのように前かがみになり辛そうにしている。さすがに心配になったお母さんが、東洋医学で何とかならないものかと相談に来た。

 

i一般的な治療

 

診察してみると、風邪引きの症状がある。肝臓の系統がひどく弱っている。多分3月頃にひどい風邪を引き、肝臓系統の弱りから風邪を追い出す事が出来ず、慢性の風邪引き状態になっていたが、夏になって寝冷え等により、風邪が再び活性化したものとおもわれる。中学生で肝臓系統の弱りがあるのは不自然なので、よく問いただしてみると、母親が料理を作るのが嫌いで、インスタントラーメンやスナック菓子で腹を一杯にする事が多かったそうだ。食生活の大切さをよく話して理解してもらった。

 

鍼灸治療

 

本治法

 

肺肝相克 男なので左から肺経、脾経、右から肝経、腎経の経金穴を補う。陽経にある邪の処理をする。左大腸経、胃経、右胆経、膀胱経の絡穴に鍼風邪引きは、風邪の菌が入っているので、陽経からの邪の処理が大切になる。

 

標治法

 

右承満穴、梁門穴、関門穴、太己穴、左滑肉門穴、天枢穴、外稜穴、正中線の気海穴,石門穴,関元穴、中極穴を補う。  背中では太椎から胸椎1,2,3番までの椎間を補う

 

経過

 

治療した夜、お母さんから電話が掛かってきて、元気な頃のように活発に動いて、食欲も出てきた。本人も喜んで明日は自分から鍼灸の治療に行くんだと張り切っている。電話の向こうでお母さんの弾むような喜びに声が聞こえた。同様な治療を5回ほど行った。最近では友達の家に遊びに行って夜まで帰って来ない。だるさ、疲れ、食欲、睡眠など改善された。積極的に外にでて友達と遊ぶようになったので、学校に行かそうかといっている時に夏休みに入った。その後、9月から学校に行っていると言う報告を父親から受けた。

 

考察

 

子供はもともと生命力が旺盛であるから、治療が正確に当たると、すばらしい回復力がある。 子供の不登校の何パーセントかは、病気から来ることがあるのかもしれない。不登校児を病気として扱ったのは初めてであるから、今後治験例を集めてみないと何ともいえないが、病気を持っている子供であれば治せば学校へ行くのではないだろうか。

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