臨床例

不妊症 2010.09.19

不妊症

 

不妊症にも原因がいろいろあります。

診察のときに、この女性はどこに原因があって子供が出来ないのか、しっかりと診ることが大切になります。

しかし、我々鍼灸師は患者の身体を内診することは出来ません。

身体を巡っている経絡の異常を見つけ出して、経絡のバランス、どこが大きく崩れているかによって、原因を特定します。

 

 

     三陰交、足の内くるぶしの上、3寸にある穴です。この穴は子宮内部を映し出している鏡のような穴で、子宮に異常のある場合は必ず反応が出ています。

 

 

     気海、お腹の臍下4センチくらいのところにある穴です。四満は気海穴の両横2センチのところにある穴です。この3つの穴は卵巣機能に関係があります。この穴に反応がある場合は卵巣機能を強化する知熱灸をします。

 

 

     虚弱体質による不妊の場合には、運動をしてもらいます。運動は筋肉をつけるだけではありません。

血液循環、骨密度の改善、内蔵機能の強化、呼吸機能の向上、など全身的な基礎体力向上には無くてはならぬものです。

基礎体力は誰も与えてくれません、自分の力で勝ち取るしかないのです。

 

 

     肥っている人の不妊症、経絡のバランスがくずれているため、卵巣機能への循環が悪くなります。肝臓系統が過敏になっていることが多く、食欲のほうばかりに偏ります。

 

 

     食欲不振で栄養が充分に循環していない不妊症の人もいます。

食欲に焦点を合わせて、経絡のバランスを取る治療をします。

 

 

     妊娠すると心包経という経絡が弱くなります。心包経はお臍と関連が深いのです。妊娠すると母親のお臍と、子供のお臍は、へその緒でつながっています。その関係でお臍は妊娠時には重要な役割を果たします。当然、お臍と関係の深い心包経に負担がかかってきて弱くなっています。

妊娠したかどうかを見極める手段として、心包経が1番虚(弱くなる)しているかどうかを診て判断しています。

 

 

臨床例

 

36歳、女性、結婚8年目

4年前から婦人科へ通い、あらゆる不娠の治療をして貰った。現在も婦人科には通っている。

今まではことごとく失敗、角度を変えて鍼灸の治療も取り入れようと思って来院する。

 身長165センチ、体重47キロ 背が高く痩せている。食欲もあまり無い、胃がつかえた感じになっている。

 

 

診察

 

 

 

経絡のバランスが崩れており、胃腸障害があった。そのためか栄養の状態もわるい。

三陰交にも著名な反応があり子宮の状態が正常でないことが判る。

 

 

運動はしていますかと聞くと、まったくしていないとの事だ。卵巣機能を見る気海、四満穴にも反応が著名に出ていた。

これではとても妊娠できる身体ではない、無理をして婦人科治療で妊娠しても流産の可能性がある。

 

 

身体を正常に戻す治療をすると共に、基礎体力も付けて貰うことにした。

基礎体力の向上と、卵巣や子宮、胃腸障害、栄養状態の回復が整ったとき妊娠すると判断、そのためには6ヶ月は必要と考えた。

 

 

治療

 

 

 

治療2ヶ月で(週2回)で胃腸障害の症状は解消した。胃の調子もよく、ご飯も美味しく食べられるようになった。

3ヶ月目、三陰交の反応が完全に取れた。これは子宮内部の環境が健全な状態になっていることを物語っている。

3ヶ月の終わりころ、気海、四満穴の反応が解消した。これは卵巣機能が健全な状態になっている。

運動は毎日、30分以上必ず歩いて貰うことを約束して、毎日実行して貰っている。

 

 

4ヶ月目、顔色もよく、婦人科の疾患が出る穴はすべて良好な反応となっている。もうそろそろ妊娠してもおかしくないのだが、と思いながら診察しても、妊娠の反応はまったく診られない。困ったものだ、この人は妊娠しないのだろうか、治療する側が少し不安になってきた。

 

 

4ヶ月目の終わりころ、脈診すると明らかに変化した脈になっていた。心包経が虚している妊娠の脈だ。しかし、ここで妊娠していますと宣言するのは止めた。以前にこれと同じ脈の婦人に、妊娠を宣言したところぜんぜん違っていた苦い経験がある。

 

 

妊娠かもしれませんが、生理の前にこのような脈になることがあるから、半々の確立です。と言っておいた。

 

 

それからピタッと来院しなくなった。がっかりさせてしまったかなと思っていた。

2週間位した時、突然訪れた。あふれるばかりの笑顔で、妊娠しました。ありがとうございます、と言って菓子折りを差し出した。

こんなときが治療家にとって1番うれしい時だ。

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