臨床例

膝関節症 2010.08.12

膝関節症


患者、女性、61歳、


 右の膝が痛く、立ち座りに難儀する。膝の後側は突っ張るような痛みがある。それから左の腰が痛い。

 

 膝の周りに提鍼を当て、脈を診ながら調べてみると、膝の真上は実の反応があり痛みを出している。膝の外側は弱っていて、膝に力が入らない状態になっていた。膝の後側は実の反応があり、突っ張りと共に痛みもあった。

 

 膝の治療に当たっては、一般には膝周辺に湿布をしたり、水を抜いたり、注射をしたり、マッサージ、電気を当てることもある。しかし、このような治療ではいくら通っても治ったような気がしない、という患者さんが多い。

 

 それもそのはずである。膝周辺は痛みの出ている場所であって、治療点ではないのである。おかしなことを言うと思いの人があると思いますので説明します。自動車のブレーキが利かないからと云ってタイヤの周りをいくら調べても原因は分かりません。

 

 ブレーキ系統か電気系統か油圧系統か基盤の故障か、どの系統の故障か、そして、その原因は何処にあるのか?そうやって調べるのが本当の治療です。ところが多くの病院でも接骨院でも、膝の周りだけを目当てに治療しているところがあまりにも多いのに唖然とさせられます。

 

 経絡治療と云う流派の鍼灸院では、膝に通っている6本の経路、そのうち、どの経路がどのような、病的変化をしているかをまず調べます。そして、その経路をさかのぼって治療点を探し出すのです。

 

 この患者さん、膝の真上の痛みは、左の腰通が関係したものであった。左腰痛を治してやれば、右ひざの真上の痛みはなくなるのです。その治療として胸椎8番9番の右側際に接触鍼をしてから知熱灸をすえた。これによって左腰痛は無くなったのである。

 

  右膝の後側が突っ張り、痛みがあるのに対しては、膀胱経と云う経路に実の異変があるのです。この経路をさかのぼって調べてみると、太椎と胸椎1番の左側際 に治療点が見つかった。ここに接触鍼をして実の反応を取り除き、その後、知熱灸をして補った。これで右膝、後側の突っ張りと痛みは無くなったのである。

 

 立ち座りのとき膝に力が入らなくて困るのは、膝外側を通っている胆経と云う経路が弱っているからなのです。右膝の弱りに対して左膝外側にある陽陵泉と云う穴に知熱灸をして補った。これで右膝の弱りは一時的に解消した。

 

 このように痛む経路を分類して、その治療点は経路をさかのぼって捜し出し、適切な治療を加えると、治療終了後にはスタスタと歩けるようになるのです。


この患者さん膝サポーターをしてビッコを引きながらやってきたのだが、帰りには膝サポーターを外したままスタスタと歩いて帰って行った。

 

鍼灸治療


 

本治法 脾腎相克 右太白、右太陵、左復溜、左神門に知熱灸
    邪の処理 右豊隆、右外関、左飛陽、左支正に接触鍼


 

標治法 胸椎8番、9番の右側際に接触鍼をしてから知熱灸をする。
    太椎と胸椎1番の左側際に接触鍼をしてから知熱灸をする。
    左陽陵泉に知熱灸。
    その他、頭の通天穴、三陰交、然谷、腹の石門穴に知熱灸をすえた。

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