臨床例

看護疲れからうつ病に 2012.04.17

看護疲れからうつ病


 女性、65歳、


 最愛の主人が癌を患った。必死の看病で良くなったり、悪くなったりだったが、徐々に癌は大きくなり、3年後にとうとう見送ることになった。

 

 死ぬ前、3カ月というものは痛い痛いの連続、病院で泊りこみの看病、夜、何回も起こされる。看護婦の巡回が2時間おきにあり、ここでも起こされる。

 

 とても安眠できない、息子夫婦が手伝ってくれるが、やはり主力は妻の看護である。主人も妻が居ないと不機嫌になる。

 

 そんな状態であるから、無理を承知で頑張った。今にも倒れそうなのだが、主人と一緒に死ねるのなら、その方が良いと思った。

 

 刻々と近づく死期、最愛の夫を取られる不安、医者からは、あと何日しか持たないと告げられる。苦しみもだえる夫。どうする事も出来ない自分。

 

 そんな中で心身ともに虚脱状態になってしまった。主人の死後、食欲不振、不眠症、動悸、不安感、イライラ、気持ちの落ち込みが続く。

 

 毎日死ぬことばかり考えるようになった。息子夫婦は心配して泊まり込みで来てくれるのだが、症状は一向に良くならない。

 

 この奥さんは、元気な人であったが、極度の過労と心配事が続いたのが原因で、うつ症状を発したものである。

 

 主人の死後、3カ月目に鍼灸治療で何とかならないものかと来院した。憔悴しきった身体で、不眠と不安感、落ち込みを盛んに訴えた。

 

 過労と不眠が続くと人間は、気虚という症状を起こします。気持ちの気、気分の気、元気の気、の事で人間の身体の中には、気が充満しています。

 

 気は寝ている時に大腸の中で生成され、朝になると気が充満して、元気ハツラツで仕事ができます。夜になると気を使い果たし、気が不足するので眠くなります。


食欲不振で栄養も不足し、過労と不眠で大腸の中では気の生成がほとんど出来ない状態です。

 

 極端な気の不足が起きますと、頭の中で気が不足します。脳は一時でも気の不足があると脳細胞が死にますので、不足分を回すように指令を出します。

 

 その為、脳はゆっくり休めません。夜中でも脳が起きて気の不足を要求します。脳が活動しているということは不眠になっていることです。

 

 また、過労と不眠が続きますと、心臓系統が弱ってきます。心臓系統の弱りは不安感、ドキドキ感、気分の落ち込みを誘発します。

 

 この様に過労と不眠が重なって、気の不足になり、内臓を弱らせ、内臓同士が気の取り合いをします。その為、悪循環となり、正常な状態に戻ることがなかなかできません。

 

 うつ病というと気持ちの問題だからと、元気な人は簡単に考えますが、うつ病の本人は、精神的にも、肉体的にも、とても苦しいのです。

 

 しかし、このうつ病は生活習慣病から来た長期間の節制不良ではなく、外的な要因でなったものであります。このようなうつ病の場合は、まわりからの十分なサポートと良い生活環境があれば徐々に良くなります。

 

 あわてて医者に言われるまま、薬を多量に服用するようになると、かえって完全治癒に戻ることが遅くなります。

 

 鍼灸治療では眠れるようになる治療と、不安感、落ち込み感、ドキドキ感を取り除くため、心臓系統を強化する治療をします。

 

 鍼灸治療をすると快方に向かうのが早くなるのと、患者さんの生活環境や薬などによって慢性化することもあるので、そのアドバイスも出来ます。

 

鍼灸治療

 

 2ヶ月間は1週間で2回の治療、3カ月目からは1週間で1回の治療に切り替え、全部で6カ月の治療で完治しています。

 

 その後、1年経って診察に訪れましたが、いたって健康で明るくなり、びっくりしてしまいました。

ご予約・お問い合わせ>

休診日カレンダー

休診日アイコン

[施術時間]
丸亀本院:
AM8:30~12:00/PM2:00~7:00
高松院:
AM8:30~12:00/PM2:00~7:00

  • 痛くしない鍼 がまんしない灸
  • 長年の経験から得た臨床例
  • 「あ!そうなんだ!」がいっぱい見つかる
  • 症例別の原因や治療法が早わかり
  • 当院の鍼灸治療動画
  • 普門堂鍼灸院公式Facebook
普門堂鍼灸院(丸亀本院)
〒763-0082
香川県丸亀市土器町東1-383
TEL/FAX 0877(25)1491
地図を見る
普門堂鍼灸院(高松院)
〒761-0101
香川県高松市春日町1593-1
TEL 087-899-6861
FAX 087-899-6862
地図を見る
埼玉普門堂鍼灸院
〒350-1137
埼玉県川越市砂新田1丁目11-36
TEL/FAX  049-257-5985
地図を見る
PAGE TOP