臨床例

逆子、9カ月後半の大逆転 2021.01.25

臨床例 女性 31歳 逆子、9カ月後半の大逆転

 

症状

 9カ月後半の妊婦さんが、逆子の治療に訪れた。逆子は7~8か月ならお腹にゆとりがある為、回りやすいのだが、9カ月も後半になると逆子の治療は難しくなる。1週間以内に逆子が治らないと帝王切開になるそうだ。

 

 たったの1週間で、しかも9カ月後半である、むつかしいなー! と思ったが、やるだけやってみようと決心した。そこで1週間以内で5回通院してもらう事にした。

 

 本治法は脾腎相克 脾経1が最も虚、腎経2が2番目、心包経が3番目、肺経1が4番目の虚であった。右から脾経1と心包経を愈土穴を使って取穴した。左からは腎経2と肺経1を愈土穴を使って取穴して知熱灸で補う。

 

 標治法は足の冷えが強いので至陰の灸を重点的にして、次に三陰交、へそK、便秘が有るので腰3-1Kと腰1-2L,を使った。胸がムカムカすると言うので背5-1K鍼灸も加える。肩こりもひどいので、背3-2Lもした。

 

治療

 上記の治療を3回行ったところ足の冷えは完全に解消した。この時点でお腹の上部が空いてきたような感じがすると言う、触ってみるとお腹の上部のふくらみが減っていた。

 

 4回目、赤ちゃんの頭が右のお腹にあるようで、その近辺から動こうとしているようだと本人が言う。右腹に提鍼を当てて虚実を見ると虚の反応が出ていた。左腹と比べてみると、左腹の方がより虚であった。

 

 これは左腹に知熱灸をする事によって胎児が回転するのではないかと想定した。そこで左腹3₋1Kに印を付け、知熱灸を虚の反応が無くなるまで据えた。腹を触った所上腹部はモワッと膨らんでおり、下腹部の方が空いている。一瞬不安になった。しかし、待てよと思い直し、下腹部をそーっと丹念に触ってみると赤ん坊の頭のような硬い物が下腹部に有った。妊婦さんにも確認して貰ったところ、如何も頭のように思うと言う。

 

 5回目で何とか回転したのではないかと、かすかな期待を抱いて治療を終了した。次の日が病院で最終検査の日になっていた。次の日、午前10時頃、電話が有り、赤ちゃんは無事に回転して逆子は治っていましたと言う電話が有った。

 

 逆子、妊娠9カ月の後半、治療期間は1週間、この条件の中で出来るだけの治療をして成功した。私にとっても、とても嬉しい1日であった。ちなみに至陰穴の施灸だけは、糸状灸を左右7回ずつ据え、最終日は10回ずつすえた。

 

 1週間だけという治療期間が短いのと、9カ月後半と言う回転しにくい状態を考えると、妊婦さんには我慢してもらって、少し熱い強刺激を与え、子供の回転を促す狙いもあったのだ。

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